ChatGPTで議事録を作るには、どう指示すればいい?
議事録をAIで作るときは、「メモにないことは書かない」「決まったことと検討中のことを分ける」「担当と期限が分からなければ『未定』と書く」の3点を指示文に入れてください。AIが話を補って書き足したり、決まっていない案を決定事項として書いたりする失敗を減らせます。ただし、出席者による読み直しは省けません。
「議事録にして」とだけ頼むと、なぜ使えないものになるのか
生成AIは、渡された文章をもとに、それらしい続きを書く仕組みで動いています。「議事録にして」とだけ頼むと、会議でよく出てきそうな言葉を補いながら、読みやすく整えようとします。その結果、メモに一言しかなかった話題が詳しく書かれたり、「検討する」と話しただけの案が「実施することに決定」と書かれたりします。文章が整っているぶん、読んだ人が誤りに気づきにくいところが厄介です。
もう一つの原因は、会議のメモが省略だらけだということです。「来週までに見積→田中」という走り書きは、出席者には意味が通じても、AIには何の見積なのかが分かりません。AIは空いているところを推測で埋めようとしがちです。推測してよいかどうかを、最初に指示しておく必要があります。
そのまま使える指示文と、出力の例
次の指示文は、ChatGPTに限らず、文章を扱える生成AIのサービスであればそのまま使えます。【会議メモ】の下に、手書きメモを打ち直したものや、録音から文字に起こしたものを貼り付けてください。
あなたは会議の記録係です。下の【会議メモ】だけをもとに議事録を作ってください。 守ること 1. メモに書かれていないことは書かない。推測で補わない 2. 「決定したこと」と「検討中のこと」を分ける。決定かどうか分からないものは検討中に入れる 3. やることは1件ずつ「内容(担当/期限)」の形で書く。担当や期限がメモにないときは「未定」と書く 4. 意味が分からない略語や走り書きは、末尾の「確認が必要な点」に書き出す 5. 全体で400字以内。「〜する」「〜した」の文体で書く 【会議メモ】 (ここに貼り付け)
たとえば、次のような会議メモを渡したとします。社名や人名は架空のものです。
9/18 営業会議 出席:社長、田中、佐藤 ・A社見積 値引き5%までならOK 社長判断 ・展示会(11月) 出るかどうか 費用次第 佐藤が見積とる ・来週までに見積→田中 ・HP更新→保留
営業会議 議事録(9月18日) 出席者:社長、田中、佐藤 ■決定したこと ・A社への見積は、値引き5%までを上限とする(社長判断) ■検討中のこと ・11月の展示会に出展するかどうか。費用を見て判断する ・ホームページの更新(保留) ■やること ・展示会の出展費用の見積を取る(担当:佐藤/期限:未定) ・見積を作成する。対象はメモからは不明(担当:田中/期限:来週まで) ■確認が必要な点 ・「来週までに見積→田中」の見積が、A社向けか展示会向けか、メモからは判断できない
注目してほしいのは、最後の「確認が必要な点」です。指示がなければ、AIはこの走り書きをA社の見積と結び付けて、もっともらしく書いてしまうかもしれません。分からないものを分からないまま残させることで、読み直す人が確かめるべき箇所がはっきりします。
出力の例は、架空の会議メモを使って当社が生成AIで作った一例です。使うサービスや実行のたびに、文面は変わります。
うまくいかないときの直し方
指示を入れても、決定事項が実際より増えてしまうことがあります。そのときは、出力のあとに「決定したことの各項目について、メモのどの行が根拠かを示して」と追加で頼んでください。根拠の行を示せない項目は、AIが補ったものだと判断できます。
録音の文字起こしをまるごと貼ると、後半の話題が抜けたり、まとめ方が粗くなったりすることがあります。1時間を超える会議は議題ごとに分けて渡し、それぞれを議事録にしてから、最後に一つにまとめさせるほうが安定します。
社内でしか通じない呼び方も、つまずきやすいところです。「本店」「2課」「例の件」といった言葉は、AIには意味が分かりません。指示文の最初に「当社の用語」として、言葉と意味の対応を数行書き足してください。毎回書くのが面倒なら、多くの生成AIサービスには、決まった指示を保存しておける機能があります。
社内で始める前に決めておきたいこと
一番大事なのは、何を入力してよいかを先に決めることです。顧客の氏名や取引条件、従業員の人事に関する話が出た会議のメモを、社員が個人のアカウントにそのまま貼るのは避けてください。無料版や個人向けのプランでは、入力した内容がサービスの改善に使われる設定になっていることがあります。会社として使うなら、どのサービスをどの設定で使うかを決め、社員に伝えておく必要があります。
録音から文字に起こす場合は、録音することを出席者に伝えてから始めてください。
AIが作った議事録は下書きとして扱い、出席者の誰かが読み直してから配ることを社内の決まりにしてください。整った文章でも誤りが混ざることがあり、配ったあとに訂正するほうが手間がかかります。
議事録以外の業務も、社内の言葉で使えるようにしたい場合
当社の「自社仕様AI構築」では、御社の言葉づかいや判断の基準を反映した指示ファイルと、担当者向けの手順書をお作りします。
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