見積書をAIで作るには、何を渡してどう指示すればいい?

見積書をAIで作るときは、AIに任せるのを「品目の書き出し」「見積に含まれるもの・含まれないもの」「お客様への確認事項」までにしてください。単価と合計金額は、自社の単価表と表計算ソフトで出します。AIには計算をさせず、単価表にない作業は書き出させるだけにするのがコツです。

金額までAIに任せると、どこで間違えるのか

生成AIは、もっともらしい文章を作るのは得意ですが、御社の単価を知りません。単価表を渡さずに「見積を作って」と頼むと、世間の相場らしい数字を自分で作って書いてしまいます。単価表を渡した場合でも、掛け算や合計を文章として書いていくため、桁や合計がずれることがあります。見積書はお客様に出した時点で約束に近い意味を持つので、ここでの誤りは値引きや信用の問題に直結します。

一方で、見積をめぐる行き違いの多くは、金額そのものより「どこまでが見積に含まれていたのか」から起きます。お客様の依頼メモから作業を一つずつ拾い、含まれるものと含まれないものを書き分け、聞き漏らしている条件を洗い出す。この部分は、AIに下書きをさせると抜けが見つかりやすくなります。

実際に使う指示文と、出力の例

次の指示文の【依頼内容】にはお客様から聞き取ったメモを、【単価表】には自社の単価表を貼り付けます。単価表は、品目名と単位が書いてあれば、表計算ソフトからそのまま貼った形でかまいません。

指示文(コピーして使えます)
あなたは当社の見積担当です。下の【依頼内容】と【単価表】をもとに、見積書に載せる文面の下書きを作ってください。

守ること
1. 金額の計算はしない。品目ごとに「品目名・数量・単位・単価表のどの項目にあたるか」だけを書く
2. 単価表にない作業は品目に入れず、「単価表にない作業」として書き出す
3. 「この見積に含まれるもの」と「含まれないもの」を分けて書く
4. 依頼内容から分からない条件(日程、作業場所の条件、支払いの条件など)は「確認事項」に書き出す。推測で決めない
5. 件名は「〇〇のお見積り」の形にする

【依頼内容】
(ここに貼り付け)

【単価表】
(ここに貼り付け)

たとえば、清掃業の会社が次のような依頼を受けたとします。会社名・内容・単価はすべて架空です。

渡した依頼内容と単価表(架空)
【依頼内容】
・事務所(約80㎡、2階、エレベーターなし)の床の洗浄とワックス
・トイレ2か所
・来月中に1回。できれば土曜
・窓も気になると言われた

【単価表】
床洗浄・ワックス 1㎡あたり 350円
トイレ清掃 1か所あたり 4,000円
出張費 1回あたり 3,000円
出力の例
件名:事務所の床清掃・トイレ清掃のお見積り

■品目
・床洗浄・ワックス 80㎡(単価表「床洗浄・ワックス」)
・トイレ清掃 2か所(単価表「トイレ清掃」)
・出張費 1回(単価表「出張費」)

■単価表にない作業
・窓の清掃(「気になる」とのお話あり。ご希望の場合は別途お見積り)

■この見積に含まれるもの
・事務所の床の洗浄とワックスの塗布
・トイレ2か所の清掃

■含まれないもの
・窓の清掃

■確認事項
・床の面積80㎡は実測か、おおよその広さか
・土曜日の作業は可能か。建物の出入りに制限はあるか
・エレベーターがないため、資材の運び入れの方法
・作業中の机や椅子の移動を、どちらが行うか

金額は、この品目と数量を自社の見積書のひな形(表計算ソフト)に入れて出します。AIが作った文面は、ひな形の「作業内容」「備考」の欄に貼り付けます。確認事項は、そのままお客様への質問として使えます。

出力の例は、架空の依頼内容と単価表を使って当社が生成AIで作った一例です。使うサービスや実行のたびに、文面は変わります。

思いどおりに出てこないときの直し方

「計算しない」と指示しても、AIが単価を掛けて合計まで書いてしまうことがあります。その数字は使わず、必ず表計算ソフトで出し直してください。繰り返し起きるなら、指示文の最初の行に「金額と合計は書かないこと」と一文を足すと出にくくなります。

品目の名前や書き方が、自社のいつもの見積と違うこともあります。その場合は、過去に出した見積書から、お客様の名前と金額を消したものを1〜2件、「書き方の見本」として指示文の最後に添えてください。言い回しや品目の並べ方が、見本に近づきます。

依頼メモが短いと、確認事項ばかりが並びます。これは失敗ではありません。電話で聞き取る前に依頼メモを渡せば、お客様に聞くべきことのリストとして使えます。

社内で始めるときに気をつけたいこと

お客様の会社名や住所、担当者の名前は、AIに入れずに進められます。出力のあとで、ひな形に自分で書き足してください。原価や利益率も、見積の文面を作るだけなら渡す必要はありません。無料版や個人向けのプランでは、入力した内容がサービスの改善に使われる設定になっていることがあるため、どのサービスをどの設定で使うかを会社として決めておきましょう。

単価表が担当者の頭の中にしかない会社では、まず単価表を文書にするところから始めることになります。手間はかかりますが、一度作れば、AIを使うかどうかに関係なく、担当者によって見積の金額がばらつくことを減らせます。

最後に、品目と数量が依頼内容と合っているかは、必ず担当者が照らし合わせてから送ってください。

見積のひな形や単価表の整理から相談したい場合

当社の「自社仕様AI構築」では、御社の単価表や言葉づかいを反映した指示ファイルと、ひな形・手順書をお作りします。

自社仕様AI構築の内容と料金を見る

御社に当てはまるものはありますか

選ぶと、対応するサービスの内容と相談フォームのページに移ります。

    相談する