日報をChatGPTで要約するには、どう指示すればいい?
日報をAIで要約するときは、「日報に書いてあることだけを使う」「金額・件数・日付は書き写す」「社員の評価や見込みを書かない」の3つを指示文に入れてください。要約は、社長や上司が対応すべきことを先頭に置き、そのあとに各自の実績と明日の予定を並べさせます。顧客名は、AIに渡す前に記号に置き換えます。
日報の要約をAIに任せると、どこで間違えるのか
生成AIは、要約するときに文章をそれらしく整えようとします。日報に「見積もりを出した、返事待ち」とあるだけなのに「受注が見込まれます」と書いたり、「午後は倉庫で棚卸し」から「作業の効率化が課題です」と書いたりすることがあります。書いた本人が言っていない見込みや評価が要約に混ざると、読んだ社長はそれを事実と取り違えます。
何人分かの日報をまとめて渡したときにも、注意が必要です。長く書かれた日報の内容が要約の大半を占め、短い日報の最後に一行だけ書かれた「お客様から苦情の電話あり」が抜けることがあります。社長が日報で一番知りたいのは、こうした一行であることが少なくありません。
一方で、4〜5人分の日報を毎日読み、対応が必要な行を拾い出すには時間がかかります。書いてあることを決まった順に並べ替え、対応が必要な行を先頭に集める作業は、AIに向いています。
実際に使う指示文と、出力の例
次の指示文の【日報】に、その日の日報を1人ずつ「名前:」を付けて貼り付けます。顧客名や住所は、貼る前に「A社」「B様」のような記号に置き換えてください。
あなたは当社の事務担当です。下の【日報】を読んで、社長向けの「今日のまとめ」を作ってください。 守ること 1. 【日報】に書いてあることだけを使う。書いていない原因・見込み・感想を足さない 2. 金額・件数・日付・時刻は、日報の書き方のまま書き写す 3. 社員の働きぶりの評価(よい、悪い、頑張った など)は書かない 4. 次の順で書く (1) 社長の対応や判断が必要なこと(苦情、トラブル、日程や値段の相談、人手が足りないこと、入金の遅れ など) (2) 各自の今日の実績(1人2行まで) (3) 明日の予定(日報に書いていない人は「記載なし」と書く) 5. (1)の各項目には、誰の日報に書いてあったかを付ける。当てはまるものがなければ「なし」と書く 6. 意味が取れない文や、書いた人に確かめたほうがよい点があれば、最後に「確認したい点」として書き出す 【日報】 (1人ずつ「名前:」を付けて貼り付ける)
たとえば、社員4人のリフォーム会社の、ある1日の日報を渡すとします。会社名・人名・内容はすべて架空です。
山本(営業):A社に外壁塗装の見積もりを提出。税込86万円。来週中に返事をもらう約束。午後はB様宅の現地調査。雨どいが割れていたので写真を撮った。C様から、来週の工事日を1日ずらせないかと電話。社長に相談したい。 田中(現場):D様宅の浴室工事2日目。予定どおり配管まで終わった。明日はタイル。E様から、先月の工事のあと床がきしむと電話あり。明日の朝に見に行きたいが、D様宅と時間が重なる。 高橋(現場):D様宅で田中さんの補助。午後は倉庫で材料の棚卸し。コーキング材が残り3本。 中村(事務):請求書を5件発行。F社の入金が、期日の10/10を過ぎても確認できていない。明日、通帳をもう一度確認する。
今日のまとめ (1) 社長の対応や判断が必要なこと ・E様から、先月の工事のあと床がきしむと電話あり。明日の朝に見に行きたいが、D様宅の工事と時間が重なる(田中) ・C様から、来週の工事日を1日ずらせないかと電話あり。社長に相談したいとのこと(山本) ・F社の入金が、期日の10/10を過ぎても確認できていない。明日、通帳をもう一度確認する予定(中村) (2) 今日の実績 ・山本:A社に外壁塗装の見積もりを提出(税込86万円)。来週中に返事をもらう約束 B様宅の現地調査。雨どいの割れを写真に撮った ・田中:D様宅の浴室工事2日目。予定どおり配管まで終了 ・高橋:D様宅で田中さんの補助。倉庫で材料の棚卸し(コーキング材は残り3本) ・中村:請求書を5件発行 (3) 明日の予定 ・山本:記載なし ・田中:D様宅でタイル工事。朝にE様宅を見に行きたい((1)に記載) ・高橋:記載なし ・中村:通帳でF社の入金をもう一度確認 確認したい点 ・コーキング材の残り3本で足りるか、追加の注文が要るか(高橋さんの日報には注文について書かれていない) ・B様宅の雨どいの割れを、B様に伝えたか、見積もりに入れるか(山本さんの日報には書かれていない)
E様からの電話は、田中さんの日報の後半に一行で書かれていましたが、要約では(1)の先頭に来ています。コーキング材については、AIは「注文が必要」とは書かず、「確認したい点」に回しています。足りるかどうかは、日報からは判断できないためです。「確認したい点」は、翌朝に本人へ聞く項目として使えます。
出力の例は、架空の会社の日報を使って当社が生成AIで作った一例です。使うサービスや実行のたびに、文面は変わります。
思いどおりに出てこないときの直し方
「書いてあることだけを使う」と指示しても、「受注の可能性が高い」「早めの対応が必要」のような見込みや評価が混ざることがあります。要約を読んだら、少なくとも(1)の項目は元の日報と照らし合わせてください。混ざる日が続く場合は、指示文の3のあとに「『〜の可能性』『〜が必要』『〜と思われる』という書き方をしない」と書き足してください。
(1)に何も出てこない日が続くときは、日報の書き方を見直してください。日報に「困っていること・相談したいこと」の欄を設けて、何もなければ「なし」と書いてもらうと、AIが拾う行がはっきりします。社員にとっても、相談を書く場所が決まっていると書きやすくなります。
1週間分を振り返りたいときは、毎日の「今日のまとめ」を5日分貼り付けて、「(1)のうち、同じ件が何日続いているか」「その後どうなったかが日報に書かれていない件」を書き出させます。片付いたかどうかはAIには分からないので、最後は社長が確かめてください。
社内で始めるときに気をつけたいこと
日報には、お客様の名前・住所・電話番号や、取引先との金額が書かれていることがよくあります。AIに貼る前に記号に置き換えるか、会社として使うサービスと設定を決め、入力したものがどう扱われるかを確かめてから使ってください。
日報の要約を、社員の評価の材料にするのは避けてください。要約の長さは日報の書き方で変わり、日報に書かなかった仕事は要約に残りません。評価は、上司が本人と話して決めるものとして、要約とは分けておきましょう。
日報を書く社員には、AIで要約して社長が読むことを先に伝えておいてください。
最後に、(1)に出た件に対応するときは、元の日報を開き、書いた本人に確かめてからにしてください。
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